レストレード警部といえば、ホームズ物語に出てくる、イタチのような顔のマヌケ刑事、としか思われていない・・・
が!!!これは、かっこいい、かっこよすぎるレストレード警部が大活躍するシリーズの3作目だ(『霧の殺人鬼』、『クリミアの亡霊』が、いずれも早川書房から刊行されている)。至ってまじめなパスティーシュであり、本格的な謎解き。いわばレストレードというキャラクターを借りたよくできた推理小説だ。もしかしたら、ホームズものを読んだことがなくてさえ、推理小説ファンなら楽しめるかもしれない。
この第3作は、ホームズの死後、20世紀に入ったばかりのロンドンが舞台。新国王エドワード7世の戴冠式を控えた街で、国会議員ばかりが惨殺される。捜査を担当するレストレードも何者か??われ、おまけに、死んだはずのホームズの姿がちらつく。ホームズの兄マイクロフトのそぶりもあやしく、おまけに盲目の従兄まで登場。
この物語に書かれたホームズはあくまで冷酷でヤク中の妄想狂。ワトスンも大マヌケ野郎。正しい?ホームズファンには無礼千万!とお怒りの向きもいらっしゃろうが、冷静に考えたらそんなもん・・・と受け取って、お楽しみいただきたい。何と言っても渋くてハンサムで哀愁漂うレストレード警部はみものだ。