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手紙

手紙

人気ランキング : 5,547位
定価 : ¥ 1,680
販売元 : 毎日新聞社
発売日 : 2003-03

価格 商品名 納期
¥ 1,680 手紙 通常4〜6週間以内に発送

本格推理から学園ミステリー、パロディー小説や絵本など、さまざまな作風で読者を魅了しつづける著者が、本書でテーマに据えたのは、犯罪加害者の家族。犯罪が、被害者や加害者だけではなく、その家族にまで及ぼす悲しい現実を見据えた意欲作である。殺人犯の弟という運命を背負った高校生が成人し、やがて自分の家族を持つにいたるまでの軌跡を、大げさなトリックやサスペンスの要素を用いることなく、真正面から描ききっている。 武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。 1999年に刊行された『白夜行』以降、著者は『片想い』 『トキオ』など、連載小説という発表形態を通じて、読み手を飽きさせないだけのストーリーテリングの実力を確実に身につけてきた。新聞連載された本書も、バンドデビューや窃盗事件などの出来事を積み重ね、そのつど揺れ動いていく直貴の心の危うさを巧みに演出しながら、物語を引っ張っていく。しかしながら読み手は、たえず居心地の悪さを感じずにはいられないだろう。なぜなら、直貴に向けられる差別は、私たち自身の中にも確実に存在するものだからである。「差別や偏見のない世界。そんなものは想像の産物でしかない」と言い切る直貴の言葉が、ずっしりと心に響く。(中島正敏)

絶妙で巧妙な文章構成

 差別―差をつけて取りあつかうこと。正当な理由なく劣ったものとして不当に扱うこと―とある。本書は、殺人犯の弟というレッテルを貼られた若者が、差別されながら生きていく姿を描いた感動小説。
 内容は、弟の大学費用を捻出するために強盗殺人を犯してしまい服役する兄。残された弟は、孤独と世間からの差別を受けながら大人へと成長していく。兄は服役中、弟宛に毎月手紙を出していた。世間から白い目で見られる度に兄という存在を疎ましく思いはじめる。そして、音楽でメジャーデビューしようとするときや恋人と結婚を考えたとき、あるいは就職先など、世間は兄という存在を理由に彼を認めようともしなかった。
 しかし、就職先の社長と出会った彼は変わっていく。昔から変わらず接してくれる!人と結婚し、子供も授かった。そして、ある日妻がひったくりに遇い、一緒にいた子供が怪我をする。程なく犯人は捕まり、犯人の両親が彼らの元へ。今までは犯罪加害者の側にいた弟は、このとき犯罪被害者の側も知ることに。そして彼がとった行動とは‥‥、そこで見たもうひとつの兄の手紙‥‥、感涙のラストへ。
 兄の手紙で文章が上達していく様。弟が成長するなかで知らず知らずのうちに卑屈な性格になっていく様。彼を取り巻く人間模様。どれをとっても絶妙で巧妙だ。そしていつものスラスラ読ませる筆力。「やっぱり東野圭吾作品は見逃せない」、そう思わせるには充分すぎる内容であった。とにかく優れた作品であり、必読の書であることは間違いないと言えよう。

犯罪者を身内にもった苦悩はよく書けているが

兄が強盗殺人を犯した。それにより運命が狂わされていく弟。その苦悩はよく描かれている。ラストも感動的だが、ミステリーを期待すると拍子抜けかも。

久々に号泣しました

自分は決して涙もろい方でもなく「泣きたい」「感動したい」と思ってこの本を手にとった訳ではなかったのですが、完全にやられてしまいました。
最初の数ページでどんどんのめり込み、最終章では号泣しました。
この本はずっと手元に置いて何度も読み返したいと思います。

号泣

生まれてこの方ここまで泣けた小説は他にありません。
それくらい切なくて苦しくて愛しい物語でした。
犯罪を犯した者と、その弟というレッテル。
兄弟の絆、というよりは兄弟という血の呪縛が生々しく、痛い。
確かな描写に導かれて主人公に感情移入した時、涙腺が弛むどころの騒ぎではないです。
読みながら号泣して声をあげたのは人生で初めての体験でした。
とにかく色んな角度から考えさせられる作品。
自信を持って万人に読んで頂きたい傑作です!!

重たい、でもなぜかつらくない。

読み始めてすぐに引き込まれました。
弟のため盗みに入り、結果、殺人者となってしまう兄。
たった一人、差別に苦しむ弟。
何故、ここまで、と、弟がかわいそうでならなかったが、もしこれが実際に起きた事件だったら?隣にこの弟が住んでたら?
あたしはいったいどうしたろうかと考えました。
うちには小さいな女の子もいる。殺人者の弟などと親しく出来ただろうか・・・・
希望と、それに続く絶望。
主人公を襲う波に、あたし自身もくるくると舞い、苦しかった。
しかし、ラスト。
涙があふれてとまらなかったが、苦しい、つらい涙ではなかった。
とても重たいテーマなのに、読み終わって感じたのはこの本の表紙のような青い空だった。
さわやかで透き通っていて、どこか切ない、美しいけれど人をよせつけない厳しさもある・・・・そんな感じ。
東野さんの小説は好きでよく読みますが、私の中では最高傑作です。



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